調理師のMさんは、入社時に会社から「1日8時間労働」と聞いていましたが、実際には「1日12時間労働」となっていました。さらに、会社側からの説明よりも、毎日4時間も長く働かされていたのに、残業代が支払われることはありませんでした。
入社以来、長時間労働・サービス残業が当たり前のように続いていたことから、ついにFさんは転職を決意。退職から間もなく、未払い残業代の請求をしたいとして当事務所に来所されました。
調理師のMさんは、入社時に会社から「1日8時間労働」と聞いていましたが、実際には「1日12時間労働」となっていました。さらに、会社側からの説明よりも、毎日4時間も長く働かされていたのに、残業代が支払われることはありませんでした。
入社以来、長時間労働・サービス残業が当たり前のように続いていたことから、ついにFさんは転職を決意。退職から間もなく、未払い残業代の請求をしたいとして当事務所に来所されました。
会社側はMさんに対して高めの基本給を支払っていましたが、残業代は一切支給されていませんでした。高めの基本給を支払っていたことで、「基本給の中に残業代も含まれる」と主張していました。
Mさんのケースでは、会社側は「基本給の中に残業代が含まれると」して、Mさんに対して高めの基本給を支払い、残業代やその他の名目での支払いをしていませんでした。このような場合、残業代を算定する際の「基礎となる賃金」が大きな金額となり、また、「残業代が一切支払われていない」ことになるため、労働時間によっては、発生する未払い残業代も大きな金額になります。とくに、このような事例では、弁護士に未払い残業代の請求を依頼する価値が大きくなります。一般社員として雇用され、「残業をしているものの、基本給しか支払われていない」という方は、当事務所まで未払い残業代請求についてご相談いただければと思います。
Mさんからの依頼を受けた当事務所の弁護士は、Mさんが保有していたタイムカードを基に、会社側が本来支払うべき残業代を計算しました。すると、約550万円もの残業代が発生していることが分かりました。多額の残業代が発生していたことから、会社側に対して直ちに支払うよう交渉したことろ、会社側からは「100万円しか支払えない」との回答があったことから、労働審判の申立を行いました。
労働審判では、当方の主張立証、裁判所から会社側への説得もあり、「200万円であれば支払える」との回答がありました。しかしながら、当方の請求額との差額が大きかったため解決に至らず、訴訟へ移行することになりました。
訴訟では、さらに当方から主張立証を行い、相手方も様々な反論(タイムカードの記載時刻と実際の仕事時間は異なる、基本給の中に残業代が含まれる等)を行ってきました。
最終的には、おおむね当方の主張が認められ、裁判所から「450万円の残業代を支払うべき」との和解案が示され、当方・会社側とも和解案を受け入れたため、和解が成立しました。
なお、判決ではより大きな金額が認められる可能性がありましたが、手続きが長引くと会社が倒産して残業代を回収できなくなるリスクがあったこと、「できるだけ早く解決したい」というMさんの希望があったことから、裁判上和解で最終解決となりました。
※2020年4月以降は時効期間が3年になりました。
残業代が請求できるかどうかのポイントについて詳しく解説しています。